『ダイ・ハード』
本作以前にも優れたアクション映画は多マあったが、ほとんどは「刑事物」「災害パニック」「戦争」などのジャンル分けが先行して、ドラマもその枠からはみ出るものではなかった。
その点、『ダイ・ハード』は極めて平凡な「刑事」(悪運の強さと根性は並外れているが)が対テロ戦という「戦争」に巻き込まれ、屋上が爆破されるクライマックスに至っては、SFX(特撮)乱れ打ちの「スペクタクル」にまで昇華する。
『アビス』『ターミネーター2』で夜明けを迎え、『ジュラシック・パーク』で欄熟期に入るVFXすなわちCGがスペクタクル・シーンを席捲する直前、まだ手作りの感覚が残っていた本作の視覚効果を担当したのは『スター・ウォーズ』の巨匠、リチャード・エドランド。
クライマックス、屋上の爆発に巻き込まれたヘリが墜落するシーンでは、火ダルマになって落下するミニチュアのヘリが絶妙なタイミングで爆発する匠の技を披露し、手作り特撮最後の徒花というか、ほとんど映画の神が宿りしカットを見せてくれました。